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蟹の泡 7





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辿り着けずにいた場所

捨てられずにいた夢



言えずにいたひとこと

聞けずにいた真実



泣けずにいた理由

あかせずにいた嘘







会えずにいた人










迷い込んだことの すべて

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by cheshire335 | 2006-05-13 00:49 | 蟹のあぶく

 経 過









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昨日は今日に   未来は過去に

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by cheshire335 | 2006-05-01 11:52 | 蟹のハサミ

 手 紙





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なんだか照れくさいけど もうすぐ卒業だし

初めてあなたに 手紙 なんか書いてみようと思いました



同じクラスになったのは一年間だけだったけど

なぜだかあなたとのことは 印象に残っているんだよね



周りのほとんどの人と同じように

あなたもあたしのことを 「 変わってる 」 とか

「 でも そこが面白い 」 とか言ってたけれど

あたしに言わせるとあなたもけっこう 変な人 だったよ





そうそう


以前 あなたがあたしに言ったことで ずっと忘れられなかった言葉があります

あなたはたぶん 忘れているだろうけど・・・



原因が何だったのかはあたしも覚えていないんだけど

あたしがクラスの男子とケンカして負けて 

教室のど真ん中で泣いたことがあったでしょう?



あのとき あなた

あたしに何て言ったか覚えてますか?


他の女の子たちが 「 大丈夫?」 なんて声をかけてくる中で

あなただけ ぽつりと





「 目から 雪解け水 が流れてるよ 」





この一言を あなたがどういうつもりで言ったのか 

じつは ずうっと気になっていました



面と向かって聞くのも恥ずかしくて

今まで聞けずにいたんだけれど・・・





あのね あたし

誰からも “ 変わった子 ・ 面白い子 ” って思われてて

それはそれで良かったんだけど

“ そういう子 ” を演じなきゃって思っていた部分もあって・・・


だんだん 人前で泣いたり 弱いところとか見せられなくなっちゃって

必要以上につっぱってみたりしてね



だから

あなたが何気なく口にした “ 雪解け水 ” って言葉には どきっ とした


強がってる自分を見透かされてるような気がした


あのときの涙は ほんとに あたしの 

心の “ 雪解け水 ” だったのかもしれない・・・





ほらね?


あなたってやっぱり 変な人 だよ!

じつは あたしなんかより ずっと



そういうとこ 変わらずにいてほしいなあって思います







それじゃあ お元気で!



バイバイ
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by cheshire335 | 2006-01-29 01:52 | 蟹の呟き

蟹の泡 6







まだ 早い


そんなに先を急ぐな と






諫めるわたしは 臆病だろうか?












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by cheshire335 | 2006-01-09 15:35 | 蟹のあぶく

蟹の泡 4




いつ泣く  今泣く  明日泣く
なぜ泣く  どう泣く  どこで泣く




誰かいないと泣けないんです

人目を気にして泣けないんです



誰かにこの涙を見せつけたいんです

誰にもこの涙を知られたくないんです



悲しみを分かち合いたいんです


気が済むまで泣き続けたいんです


声を上げて泣き叫びたいんです




苦しいのに 涙 出ないんです・・・





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みんな  ほんとは  泣きたがり

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by cheshire335 | 2005-10-24 12:04 | 蟹のあぶく

林 檎 ニ 似 タ 月



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 ほとほとと、夜道を歩く自分の影がいつもより妙に長いことに気付き
 ふと振り返ると真後ろに月がありました。

 その、まぶしいくらい煌々と輝く様を見て、


 「 林 檎 ニ 似 タ 月 」


 なぜそんなふうに思ったのでしょう?
 なんだか林檎みたいに、手のひらに乗せられそうな気がしたのです。


 私は立ち止まってそっと目を閉じ、夜空に向かって両の手のひらを
 “ 何か ” を受け止めるような形でさしのべました。


 その瞬間、手のひらにかすかな重みを感じたのです。

 たとえるなら、そう、

 ちょうど “ 林檎1個ぶん ” くらいの・・・



 そっと目を開き、おそるおそる手のひらに目をやると、そこには


 「 林檎ニ似タ月 」 または

 「 月ニ似タ林檎 」 が ありました。



 私は その場に立ちつくしたまま、
 自分の手の上の 「 それ 」 について考えてみようとしましたが


 何をどうしたらいいのか?
 何をどう考えたらいいのか?


 まったくわかりませんでした。



 面倒になった私は 「 それ 」 をポケットに押し込むと
 また ほとほとと歩き始めました。


 そしてそのまま 「 それ 」 のことを、すっかり忘れてしまったのです。




 次の晩、空に月はありませんでした。

 そのまた次の晩、やっぱり空に月はありませんでした。



 私は 「 まさか・・・」 と思いつつ、
 あの夜 着ていた上着のポケットを探りました。


 「 それ 」 は そこにありました。
 真っ赤に熟した、つやつや光る 林檎 の姿をしたままで。

 
 私は 「 それ 」 を 遠慮がちにひとくち囓りました・・・







 星もかすんでしまうほどに 煌々とかがやく

 「 まるで誰かにひとくち囓られた林檎のような月 」 が

 天高くに姿を現したのは、その夜のことでした。





  【 f i n 】











 +++ あたりまえですが、このお話はフィクションです +++
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by cheshire335 | 2005-07-26 12:03 | 蟹の呟き